[ FE外伝攻略Topへ戻る | Ujiの部屋Topへ戻る ]

[ 1章 | 2章 | 3章・アルム軍 | 3章・セリカ軍 | 休憩タイム | 4章・セリカ軍 | 4章・アルム軍 | 5章]


1章攻略記

※:ネタバレ注意!

ラムの村 (1ターン)

 まずは解説から。FE外伝ではフィールドマップや町の中などで自由に動き回れるという他作品とは異なった特殊なシステムがある。そのため戦闘中のターンとは別に、フィールドマップ上で行動した分のターン数というものが存在する。そのためここでは題名のところに、その時のターン数も書くことにした。

 さてアルムはここラムの村でマイセンと剣の修行中。マイセンはその昔、ソフィア国でも並ぶもの無き勇者であったが、ドゼーに左遷されてこんな辺鄙な村に追いやられたという。実は私はこの作品における全ての事件はこのマイセンが画策したという 妄想 仮説を立てている。なぜならば彼の言動には明らかに不自然なものが多いからだ。その件についてもこの攻略記で検証していきたいと思う。もしFE外伝を心から愛し、マイセン卿を心の師と崇拝する方は、これ以降は読まないで下さい

 

・マイセンの野望

 いきなりではあるが、私の仮説についての概要を説明することにする。マイセンは、アルムやセリカが解放軍を率いて戦乱のバレンシア大陸を戦い抜き、結果としてこの大陸を制覇するように仕向ける。その後、唯一リゲル・ソフィア両王国の血の繋がりの持つアルムとセリカが国王と王妃になるのは当然の流れとなるであろう。しかしながらこの2人はまだ若造。政治の何たるかなど分かる訳も無い。そこでマイセンが宰相となり権力を牛耳り、バレンシア王国の政権を掌握する。これが私の考えたマイセンの野望である。以降、ことある毎にこの仮説の検証を行うが、まずここでは最初の場面の矛盾について、検証してゆこうと思う。

 

・アルム出陣時の手違い

 マイセンとの修行も一旦中止し、今は休憩中。その時、ルカがドゼーを倒すべく、マイセンの力を借りに来た。その報告をマイセンにしたところ、「お前は戦ってはならぬ!」と言う。呆然とシナリオを進めてしまった人は気づかなかったと思われるが、この台詞には極めて不可解な点がある。この時点では、アルム本人は解放軍に入るということは言っていない。ところがマイセンはまるでアルムが解放軍に入ることを知っていたかのような台詞を吐く。この時点でのこの台詞は明らかにおかしい。

マイセンの力を借りに来たルカ
マイセンの力を借りに来たルカ
   矛盾したマイセンのセリフ
解放軍に入るなんて言ってないが?

 それではマイセンは何故このようなことを言ったのか? 私はこれはマイセンの最初にして最大のミスであったと考える。まずマイセンはルカを通じてアルムを解放軍に参加させるよう裏工作はしていたのだが、全ての工作が行なわれる前にクレアが捕まるという事態が起こってしまった。身動きが取れなくなった解放軍は、実力が未知数のアルムより、実力の知れているマイセンの力が欲しかったのである。マイセンとしては解放軍がまだ危機に陥っているとは知れず、ルカがアルムを解放軍に入れるように説得しているものと勘違いしていたのである。

 後に事情を知ったマイセンは不覚を感じたであろう。しかしこの時点ではアルムも「じいちゃんボケたかな?」と思ったか、または解放軍に興味を持っていた心理を見抜かれて驚いた程度で終わっただけであった。さすがに若いアルムではマイセンの野望を見抜くことは出来なかったのである。マイセンも事の真相を見抜けなかったアルムの様子を見て、ホッとしたところであろう。また当初の予定通りにアルムが解放軍に入り、自身の野望の第一歩はなんとか無事に済んだといったところである。

 

 

 さて話は変わり、この村ではグレイ・ロビン・クリフが仲間になるのだが、彼らに話し掛けない限りは仲間にならない。それでクリフ・ロビンには話し掛けずに素通り。グレイだけが村の入り口を塞いでいるために、仲間にしなければ先に進めない()。仕方が無いのでラムの村人3人集のうちグレイだけは連れてゆくことにする。

実は仲間にしなくとも良い方法があった・・・。詳細は休憩タイムで語ることにしよう。

村の入り口
グレイが道を塞いでいる

アルム軍 能力値

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム1281076764--
ルカ2221044262--
グレイ524944242--

 ATC:攻撃力、SKI:技、AGI:素早さ、LUC:運の良さ、DEF:守備力、MDF:魔法防御を表す。上昇した能力を「+」で示す。5個以上能力が上がった場合には「#」とする。転職した場合はLVの欄に「C」と書く。装備品で能力値が変化する場合があるが、その場合には変化後の値を書き、装備の欄に装備品の名前を書く。そして変化した能力値を青(上昇)または赤(減少)で書く。


ラムの林 (1ターン)

 村から外へ出た瞬間、いきなり盗賊に襲いかかられる。なんて治安の悪い場所なんだ! またこんな場所で戦ってたら、マイセン爺にバレそうな気もするのだが、あのタヌキ爺は気づかないフリでもしてるのだろうか? というかルカは何事も無く村へ入れたのに、アルムが村を出たら襲われているのも不思議である。きっと盗賊はマイセンが裏で手配した者達で、この戦いでアルムの実戦での戦闘能力を測っていたのかも知れない。

 さてアルム・ルカに比べればLV1盗賊などザコ。奴等からは1しかダメージを食らわない。まずはルカをAナイトに昇格させるために、ルカに集中的にトドメを刺させる。ソルジャー系はAナイト以降にならないと弱くて使えない。ゆえに早い段階でAナイトへ転職させてもらう。今すぐにでも転職できるグレイは経験値を与えないように回復床で待機。グレイは傭兵に転職させてから戦わせる予定である。さてこうして、アルム・ルカの活躍で盗賊団はあっさり全滅。ルカのLVも1つだけ上昇できた。

ラムの林
村の入り口で戦う

 

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム1281076764--
ルカ3 +22105 +5 +262--
グレイ524944242--

盗賊の森 (2ターン)

 ここで敵にアーチャーが登場。なんとこの作品ではアーチャーの射程は3。しかも接近戦でも攻撃可能である。さらにさらに、このマップでは森がいい感じに配置されていて、森に入っては攻撃という嫌らしさを見せ付けてくれる。本当にイヤな奴である。

 でもアーチャーは1体しかいないし、他はLV1盗賊なのでアルム・ルカで戦えば楽勝でと思われる。ところが、どうも見た目の確率どうりに攻撃が命中しないことが気になりだす。だいたい60%は2回に1回しか攻撃が命中しないし、90%くらいあっても実質80%くらいの命中率だ。これが顔のあるボスとなると、もっと命中率は低くなる。さすがに100%で外された事はないが、どうやらこの作品は数字で見る確率と、実際の確率は違うようだ。それなら最初から見た目の数値も低くしとけ! って思う。

 もっとも昔のゲームでは乱数がちっともランダムじゃなかったりするからなあ。どのようにして乱数を発生させてるかは分からないが、どうも両端に偏った値、つまり0-19または80-99が出やすくなってるかも知れない。

 それはさておき、ここではアーチャーに思いっきりスカされまくって、ターン数を大量に消耗。森の中だと地形効果が40%もあって、攻撃もなかなか当らない。ピンチになることも無かったけど、ストレスは溜まりまくった。あーイライラする。

盗賊の森
回復床付近で戦う

 

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム2 +28107677 +4--
ルカ4 +23 +106 +5262--
グレイ524944242--

盗賊の祠 (3ターン)

 祠内の戦闘は余裕(LV1盗賊×5)なので、ここでは省略。さて、この祠の奥にはシスターのシルクがいる。当然話し掛けることも無いまま立ち去り、彼女は一生盗賊に捕まったままの身となる。許されよ。

 なおこの作品では人に向けて方向キーを押すだけで、「話す」ことが出来る。つまり迂闊にぶつかったりしたら話し掛けて、勝手に仲間になってしまう。特にえみゅで高速モードでやってたりすると、ちょっとのミスが命取りとなり危険である。というかさっきぶつかってしまい、もう一度入口からやり直しした・・・

 今度はシルクにぶつからないように慎重に行動して、転職と聖なる井戸を飲むことに成功(?)。グレイは傭兵に転職。聖なる井戸の水はアルムに全て飲ませ、素早さを3上げた。

祠の奥
シルクは無視(画面少しバグってます)

 

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム2281079 +++774-聖なる井戸(AGI+3)
ルカ5 +2310653 +62--
グレイ1 C2498 ++++10 #+242-村人→傭兵

ラムの谷 (4ターン)

 ここではさらに傭兵が敵として出現する。しかもこの傭兵は皮の盾(「皮」は私の誤植ではない)を所持しており、倒すに非常に困難である。さてこの傭兵が攻め込んでくる前に、まずは右側の盗賊とアーチャー退治。ここでさっき転職させたばかりのグレイを突撃させたのだが・・・・傭兵って守備力かなり無いようで。一瞬で瀕死の重傷を負い、結局はアルムとルカ達がほとんどの敵を倒す羽目に合った。よってここでグレイのLVは上げることができず終いであった。

 さて皮の盾傭兵以外は全て片付けたが、残ったこの傭兵をどうするか? ここはアルムが回復床に立って傭兵と一騎打ちしてもらうことにしよう。・・・一騎打ちの結果、傭兵との戦いは非常に地味な戦いであり、アルムと傭兵が共に2ポイントづつ削りあう状態となる。最終的には床で回復出来る分だけアルムが勝利を収めたが、非常にタルかったなあ。

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム3 +29 +108 +9774--
ルカ6 +2310654 +62--
グレイ1249810242--

南の砦 (5ターン)

 ここら辺から敵も本格的に手強くなる。もはや盗賊など出てない。以降、ソルジャーやナイトといった正規兵との戦いとなる。さて、ここのアーチャーの装備をよく見ると、鋼の弓を装備している。この弓によって、アーチャーは射程が5で攻撃力も高く、かなり嫌らしくなっている。

 まずは突撃してくるソルジャーを倒す。この時グレイには皮の盾装備させて、グレイとルカが森の中に入って待伏せしておく。アルムはソルジャーと戦ってケガしないように、遠くから見守る。この戦闘でグレイは攻撃を回避しまくってほぼノーダメージであったが、ルカは全弾くらって瀕死の重傷である。

 次にアルムに皮の盾を持たせてアーチャー退治。森の中に入りながら、慎重に近寄って行く。アルムがアーチャーの隣に配置すると、アーチャーは回復床から移動してしまう。そのままアルムが回復床に配置させ、アーチャーを攻撃。これでアーチャーは思っていたより簡単に倒すことが出来た。

 残った敵はグレイに再び皮の盾を持たせて戦わせる。そうしたらソルジャーにスカスカかわされまくる。なんでだろう? と思ったら、なんと白い「床」には地形効果が20%もついているではないか! なぜただの床に、ここまで地形効果がついているのだろうか? この床があるから敵の攻撃をかわし易くなるとは、到底思えないのだが? とにかく回避されまくってイライラはしたが、グレイも重傷を負いながらもなんとかソルジャーを全て倒すこともできた。

南の砦1
ソルジャーを待ち伏せ
   南の砦2
鋼の弓アーチャーを攻撃!

 

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム4 +30 +109 +10 +774--
ルカ6231065462--
グレイ3 ++26 ++11 ++9 +10272皮の盾-

南の砦 (6ターン)

 ここでは戦闘は無し。捕らえられたクレアを救出する場面であるが、やっぱりここで無視。いちおう宝箱だけは回収しておく。宝箱の中身はなんと雷の剣。雷の剣は攻撃力が固定で15。この攻撃力は凶悪で、この付近では敵無しと思える程。しかも射程も2あったりする。ちょっとバランス間違ったかな? とも思える程である。

祠の奥
クレアも無視。雷の剣のみは取っておく。

ソフィアの南1 (7ターン)

 その凶悪な雷の剣を装備して、アルムが大暴れ。突撃してくるソルジャーは、何も考えずにアルムを突撃させて迎え撃つ。実際、かなり大ダメージを食らったが、ソルジャーはほとんどアルム一人の手により殲滅。かなり呆気ない。

 さらに左上からやってくるナイトも、雷撃によりあっさり即死。いいのかこれで? ってくらい簡単にここでの戦闘は終了した。うーむ、やっぱりこの雷の剣って強すぎだよなあ。絶対に攻撃力を間違った気がする。

戦闘画面(雷の剣)
凶悪、雷の剣。

 

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム5 +31 +1510 +8 +774雷の剣-
ルカ7 +24 +11 +65462--
グレイ4 +26119103 +72皮の盾-

ソフィアの南2 (8ターン)

 上から左からナイトが突撃をかけてきた。ナイト系は機動力があって煩い敵であるが、マップ中央の橋をせき止めておけば難しいことは何も無い。ということでアルムに皮の盾を装備させて、橋のところで通行止めする。

 あとはグレイが雷の剣で大暴れ。左から来るナイトを倒した後は、アルムの後ろに隠れて雷撃の嵐。非常に楽チンである。こうして全員大したケガも負うこと無く、次へと進む。

ソフィアの南2
橋で通せんぼ

 

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム5311010117104皮の盾-
ルカ7241165462--
グレイ5 +27 +1597342雷の剣-

解放軍のアジト (9ターン)

 解放軍のアジトに入る。ここではルカをAナイトへと転職させることが主な目的である。できればグレイもLVを7まで上げて転職させておきたいところであったが・・・残念ながら出来なかった。となると、次の祠まではグレイも転職お預け状態。結構厳しいかも・・・?

 ところで解放軍のアジトというのに、何でゾンビやスケルトンがいるのだろうか? しかも1体2体どころではなく、10数体もいるのだ。死んでも死に切れなかった解放軍の兵士達がゾンビとして復活してしまったのだろうか? その真偽は分からないが、こんな気持ちの悪い場所にいる解放軍って趣味が悪い。・・・いや、趣味が悪いかどうかの問題じゃないか・・・

 そして今回の試みで気付いたことは、なんとクレーベ達がここに居ないのだ。多分クレアを仲間にしてこなかったからかも知れない。一応、クレアとクレーベは兄妹なので。まあでもシルクの時のように、うっかりぶつかって話し掛けることも無くなった訳である。こうしてこの祠の奥で、安心しながらルカの転職を済ませ、聖なる井戸もアルムがまた飲み干した。おかげでアルムはかなり堅くなった。

解放軍のアジト
なぜアジト内にゾンビが?

 

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム531101011713 +++4皮の盾聖なる井戸(DEF+3)
ルカ1 C34 ##16 #65412 #+2--
グレイ6 +2715 +97342雷の剣-

ソフィアの門 (10ターン)

 ついにソフィア城まで到着。ドゼーとの対決である。とは言え、このドゼーは偽者。偽者のくせに竜の盾なんて装備していて、メチャクチャ堅かったりする。普通にやってたら、ここで倒すことなんて不可能。もし彼を倒したいならば、祠で散々LV上げを行って、グレイ・クリフを凶悪に強くする。ロビンは程々の強さに抑えておく。そしてロビンでスレイダーをおびき寄せ、そのスキにグレイ・クリフでドゼーを討つ。こうして、やっとドゼーを倒して竜の盾を手に入れることが可能となる。

 今回の試みでは祠に入って経験値稼ぎはしないという条件を付けているため、ドゼーを討つことはさすがに無理。ここは順当にスレイダーを倒してドゼーを逃がしてやる。まずは守備力の高いルカがスレイダーをおびき寄せる。なお下の画像の場所に来るまでには、弓の攻撃に晒されながら行かねばならない。これが厄介である。どんなに守備力が高くとも、最低1ポイント食らってしまうこの作品では、この弓で削り取られる分が後に効いてくる。

 スレイダーはグレイの雷の剣によりあっさり死亡。ドゼーは弱気になって逃げ出す。あとは上にいるナイト達を相手にするのだが、ここの床もやっぱり地形効果が20%あって、皆さんスカスカすかし合い。敵に徐々に体力を削り取られ、ルカも危うく死ぬところであった。この床という地形は油断ならないようだ。

 ナイト隊に削られた傷は回復床で回復。それからやっと弓隊を倒しに向かう。弓隊にもスカされまくり今度はアルムが削り殺されそうになったが、グレイとルカの協力でなんとか弓隊も全滅。床にだいぶ泣かされながらも、なんとかクリアできたようである。

ドゼー能力値
ドゼーの能力値。・・・堅い、堅すぎる。
   南の砦2
スレイダーをおびき寄せる

 

NameLVHPATCSKIAGILUCDEFMDF装備備考
アルム6 +32 +1011 +12 +7134皮の盾-
ルカ2 +35 +16654122--
グレイ8 ++28 +15 +10 +735 +2雷の剣-

ソフィア城 (11ターン)

 城の中に入ると、なんと既にマイセン爺がいるではないか! あれだけの厳重に兵士が配置されていた中、彼はどうやって入ってきたのだろうか? 何よりドゼーはマイセンを追放したはずであるのに、むしろここではマイセンをすんなりと城の中に入れているようにも見受けられる。なぜドゼーはマイセンを城に入れ、しかも彼を軟禁する訳でもなく自由に行動させていたのだろうか? 今回はこの謎に迫ってみる。

ドゼー能力値
爺ちゃんなぜここに??

 

・ドゼーっていい奴?

 まずドゼーの人物像について述べてゆこう。クーデターを起こす前、ドゼーはソフィア国の宰相であった。しかも武を好まぬソフィア人にとって珍しいことに、バロンにまで昇格する程の武人でもあった。このドゼーは宰相になって権力を手に入れてからというもの、王家の者達を次々と暗殺し、また圧政を敷いて民を苦しめる悪逆非道の者として描かれている。

 しかし彼がそこまで血も涙もない者とするには、腑に落ちない点が存在する。彼はなぜ政敵であるはずのマイセンを抹殺せずに、「追放」に留めていたのであろうか? 特にマイセンはソフィア国では実力・人気ともに絶大であり、生かしておいても再び革命を起こされる心配が増えるだけである。何か大きな理由が無い限りは、誰よりも真っ先処分すべき人物である。宰相でもあるドゼーが、こんな程度のことに気づかなかない訳がない。

 では何故ドゼーはマイセンを生かしていたのであろうか? 私はドゼーは実は極悪人ではなかく、むしろ良識ある者であったのではと考える。そう考えるとマイセンを生かしておいた点について、色々とつじつまの合う点があるのだ。しかし良識ある者ならばなぜ、王族抹殺や圧政を敷いて民を苦しめていたのであろうか?

・ソフィアの腐敗とドゼーの革命

 まずソフィアの民は豊かさゆえに堕落していたという事は、オープニングにも述べられている。そのことから中枢政府は相当腐敗していたと考えられる。ドゼーはそんなソフィアの腐敗を憂い、革命を起こしてこの国を根本から変えようと思っていたのかも知れない。もし私腹を肥やしたいだけなら、別にクーデターを起こして自分が国王となる必要は無いからだ。国政の全てを執行できる立場たる宰相ならば、国王の影に隠れて幾らでも私腹を肥やすことはできよう。いざとなれば国王に全ての罪を被せ、その後も自分はのうのうと生きてゆくこともできる。

 王家の者達を暗殺していた事については、暗殺ではなくむしろ毅然とした態度で、王家の者達の罪を暴いてはその罪に相応しい刑、つまり死罪を執行していただけなのかも知れない。毒による暗殺説が流布したのも、せめて最後は苦しまずに死ねるよう、服毒自殺を命じていたことによるものだろう。このように王族に対して厳罰で挑んだため、娘子供も殺す血も涙も無い男と囁かれるようになったに違いない。

 また圧政を敷いていたというのも誤まりである可能性もある。ドゼーとしては凶作続きのリゲルに対し援助する目的で、税を増やしたのかも知れない。それならばリゲルで大凶作が続いたにも関わらず、あれだけの大軍勢を養い続けられたのも納得がゆく。しかし国民からすれば税が少しでも増えることは嫌なことである。ましてや神話の時代の仇敵に対して援助する目的とあっては、不平不満も出よう。そこでドゼーが圧政を敷き、私腹を肥やしているという噂が出てしまったものと考える。

・マイセンの左遷劇

 さてこの王族処刑の事実はマイセンも知っていた。大陸を掌握する野望を持つマイセンにとてみれば、ソフィア国の王族が居なくなることは好ましいことであるが、やや早急過ぎると感じたのだろう。なにせ下手をすれば、まだ赤子のセリカにも罪が及びかねない。本当に手の及ばない離島へ島流しに遭う可能性もある。そのためドゼーには王族の罪を暴く捜査の手を緩めるよう、助言したのかも知れない。

 しかし血気はやるドゼーにとってすれば、一刻も早く腐敗の中枢たる王族達を処分したい。まさかソフィアでも心ある者のマイセンがそんなことを言うとは夢にも思わなかったが、処分を長引かせるよう言う以上は彼もまた邪魔者の一人である。そう考え、マイセンを一旦政権から遠ざける作戦に出たのであろう。そしてマイセンはラムの村へと流される羽目に遭ったのである。

 しかしマイセンにとってみればこの左遷もまた作戦のうち。アルムには後に英雄としてソフィア国民に受けいられてもらわねばならない。そのために単純に現在の国王を倒してしまったのでは、むしろ国民から反感を買ってしまう。そこでドゼーに一旦革命を起こしてもらい、民の反感をドゼーに集中させた上で、悪評高いドゼーを倒した方が国民の信用を得ることができる。そのためマイセンは影でドゼーの悪評を流布させていた可能性も高い。

 ところでドゼーはソフィア国で心ある者であった(と思っていた)マイセンを遠くへ流してしまったことには負い目を感じていた。だからこそ解放軍が攻める前にマイセンがソフィア城へ訪問した際、ドゼーは過去に追い出してしまった罪を謝罪すべく、マイセンを城の中へと入れたのであろう。ゆえにマイセンはドゼーのいるソフィア城の中でも、自由に行動もできていたに違いない。

・なぜマイセンはソフィア城へ来たのか?

 しかし今回マイセンはこの城へ何をしに来たのだろうか? アルムに重要な情報を与える訳ではなく、その後セリカが来た時にすら特に何か言う気配が無い。一つ間違えば命を落としかねなかった戦闘中の場所に、何の理由も無く来るとは思えない。それでは一体、マイセンがソフィア城へ来た真の理由は何であろうか? それはドゼーから竜の盾を奪い、その後彼を葬り去るためだと考える。

 ドゼーを倒すには竜の盾が大きな障害となる。アルム達の今の実力では竜の盾を装備したドゼーを倒すことは不可能。そのためマイセンは、解放軍が攻めてくるという情報を提供しに来たのだ。そして解放軍は思ったより手強く、万が一を考えて影武者を置くべきと進言する。実際に解放軍が攻めてくる所を見たドゼーは、その情報が正しいことを認め、そしてマイセンの案に乗ったのである。

 しかしここからがマイセンの巧妙さが伺われるところである。まず影武者はマイセンが用意したものである。そして偽者とバレないように竜の盾を持たすべきと言う。確かにこの影武者に竜の盾を装備させておけば本物と勘違いするだろう。それに竜の盾の守備力をもってすれば、影武者とはいえ解放軍を返り討ちに遭わすことも可能かもしれない。そのためドゼーは後に盾を返却することも確約した上で、竜の盾をマイセンに預け、自分の砦へとこっそりと逃げたのである。

 しかし、実際の戦闘ではスレイダーが倒された程度で影武者は逃げ出し、そして影武者もろとも竜の盾はそのまま何処かへと消えてしまった。こうしてドゼーから竜の盾を奪うことに成功したのである。後はアルムが英雄としての評価をより高めるためにもドゼーには死んでもらうのみ。竜の盾がなければアルム達に倒されるのも時間の問題であろう。


[ 1章 | 2章 | 3章・アルム軍 | 3章・セリカ軍 | 休憩タイム | 4章・セリカ軍 | 4章・アルム軍 | 5章]

[ FE外伝攻略Topへ戻る | Ujiの部屋Topへ戻る ]